事業家集団にいた頃の新たなメンバーの誘い方について書こうと思います。
外から見ると、「勧誘がすごい」「人を引き込む仕組みがある」と言われがちです。
ただ、いきなり「入りませんか?」と誘われることは、ほとんどありません。
まずは、とにかく仲良くなるところから始まります。
食事に行ったり、カフェで話したり、何気ない会話を重ねていきます。最初は本当に雑談レベルで、「最近どうですか?」とか「仕事どうですか?」といった、ごく普通のやり取りです。
ただ、その中で少しずつ話題が変わっていきます。
今の仕事に満足しているのか、将来どうなりたいのか、お金に対してどんな考えを持っているのか。そういった少し踏み込んだ話になっていきます。
とはいえ、これも違和感のあるものではないので、むしろ、「ちゃんと自分のことを考えてくれている人だな」と感じることも多いです。
そこで共通点が見えてきます。
「今のままでいいのか不安です」
「もっと稼ぎたいです」
「自由に生きたいです」
そういった感情が共有されると、一気に距離が縮まります。
そして、あるタイミングでこういう話が出てきます。
「実は、そういう人たちが集まっているコミュニティがあるんです」
ここで初めて事業家集団という存在が提示されます。ただコミュニティの名前はありません。
ただ、この時点でもまだ勧誘というよりは「紹介」に近いです。あくまで選択肢の一つとして提示される感覚です。
その後、イベントに誘われたり、別のメンバーを紹介されたりする中で、コミュニティの雰囲気や価値観に触れていきます。

ポジティブで、エネルギーがあって、みんなが前向きに挑戦している空気です。
それに魅力を感じる人もいれば、違和感を覚える人もいます。
そして最終的に、「一緒にやってみませんか?」という形で、参加を勧められます。
振り返ってみると、この一連の流れはとてもよくできています。
ただ同時に、どこかで見たことがある構造でもあります。
例えば、ベンチャー企業の社長が優秀な人材を口説くときです。
いきなり「うちに入りませんか?」とは言いません。
まずは食事に行き、価値観を話し、将来のビジョンを共有して、「一緒にやったら面白いと思うんです」と伝えます。
気づけば、その会社のことをもっと知りたくなっています。
やっていることは、かなり似ています。
結局のところ、人は「論理」よりも「関係性」と「共感」で動きます。
だからこそ、仲良くなるところから始まり、将来の話になり、その延長線上に誘いがあります。
そう考えると、この構造自体を「良い」「悪い」で判断するのは、少し違う気もしています。
どんな組織でも、人を集めるときは似たようなプロセスを踏みます。
事業家集団だけが特別なわけではありません。
大事なのは、その中で自分がどう感じるかです。
納得して選んでいるのか、それとも違和感を飲み込んでいるのか。
そこさえ見失わなければ、この手のコミュニティも、ただの一つの選択肢として捉えられるのではないかと思います。


コメント